MIAU の会則が上がった模様

http://miau.jp/constitution.phtml
http://miau.jp/1194409987.phtml


 中の人、お忙しい中 いつもお疲れ様でございます。
 会則が公式サイトに上がりましたな。(参考にしたものがおそらくあるにせよ)かなり作り込まれた印象。ホントはブログの方で採り上げたいところではあるのだが、今パブコメ中なので余談的にここで。


 一般の人間にとっては、第1章の総則と第2章第2款の協力会員(第10条まで)を読んでおけば良さげ。協力会員はハンドルでの参加も保障されており、ネットユーザーのネットユーザーによる団体という特色がよく表われている(なお幹事会や担当部会についての規定でも、メールを駆使した議事進行を意識しているかのような書きぶりが見られ、このあたりにも特色が表われている)。協力会員募集も会則公表と同時に始まってるから、興味がおありの方は是非。
 MIAU の方向性について発足当初から設立趣旨が公表されていたけれども、そのエッセンスが会則第2条「目的」にコンパクトにまとめられている。白田センセの主張から MIAU 設立までの流れを感じられれば、おそらく「言論表現の自由」「情報流通の自由」「議会制民主主義」「自由市場経済」の語が大袈裟なものではないと判ることだろう(ネットユーザーの多くは こうした概念を意識していないかも知れないが、実は“ネットユーザー的価値観”の大部分がこれへ通じている──リテラシーの発揮と自由な議論、そして選択行動は「議会制民主主義」「自由市場経済」と繋がっているのだ)。こうした「目的」を高らかに謳い上げる団体がネットユーザーの手で発足したことについて改めて感動を覚えた次第。


 さて。会則を読んでいて、おぼろげに思ったことを幾つか。
 協力会員の「入会」(第5条)で、変名での参加を容認していることについて俺は好意的に受けとめている。この方向性は設立発表の際にも言及されていたし。「個の存在であることを証明できる限りにおいて」との限定で、一切何者か知らしめないで匿名(あるいは騙り)で参加する人間が出てしまうリスクを排除している。このあたりは良いバランスではないかと。最低限の責任を担保するということ。
 じゃ、「個の存在であることを証明」するにはどうすればいいのか。まぁ本名(戸籍名)を MIAU に伝えるとか、実際に中の人と会って話すとか、そんな程度でおそらく足りるんじゃないかなぁと思う。今後 具体的な手続きが決まっていくと思うし(今の募集要領で充分とされる可能性もあるね)。
 俺自身は、ネットでの活動はハンドルを使ってるわけだけど、 MIAU と関わりを持つ場面では本名を伝えても良いと考えてる。場合によっては公表されることも厭わない。顔と実名を晒しての政治活動を標榜する団体を強く支持するのであれば、自分でも多少のリスクを負うことを考えたい(あくまでも俺個人についての考え)。ブログ等では、過去からの継続性・一貫性もあるから、ハンドルを使い続けることを希望するけれども。その辺りは適宜 使い分けていきゃ良いんじゃないかな。そんなわけで本名で「協力会員」を申し込むと思うのでよろしく →MIAU の中の人。
 本名と言えば、「協力会員」とは対照的に「幹事会員」は「容貌及び実名を公表すること」を義務づけている(第12条)のだけど、ただし書きで「『バーチャル法律娘 真紀奈17歳』は特例とし、そのオンライン人格において幹事会員となることができるものとする」としてる点に注目。彼女(オンライン人格に敬意を表してそう示す)は発起人の一人で、こういう規定を設けているあたり粋な計らいだなと思った。


 MIAU の会員は「協力会員」と「幹事会員」に分類され、さらに MIAU 運営側として「幹事」(および「代表幹事」)が置かれるようだ。ここで「幹事」「幹事会員」と異なる立場があったりして、その意思決定機関として「幹事会」「幹事会員総会」が置かれているものだから呼称がヤヤコシイなぁと思ったりする(しかも幹事が規定される前に「幹事会」の名称が登場してきてしまう──もっとも読みやすさを考えたら、協力会員に関する規定を始めに持ってくるのは正しい判断だとは思う)。まぁこの区別は、いわゆる会員と団体運営側ということでの設定なのだろう。なお「幹事」は「幹事会員」の中から選ばれるとあるから、会員と団体運営側を兼ねる形。「幹事会員」でなくなった人は自動的に「幹事」の職も解かれるようだ(第23条)。
 「協力会員」は現在募集中、「幹事会員」は当面発起人が就くという形らしい(たぶん「幹事会員」も適宜 増員されていくんだろう)。「幹事」については、発起人だから当然に「幹事」入りするとは限らないようである。まぁ MIAU に専念できる人たちばかりではないだろうから、当然と言えば当然。


 「幹事会」「担当部会」の議決が基本的に、過半数でなしに3分の2以上の賛成を要するとされる点に興味を覚える(なお「幹事会員総会」は基本的に過半数、そのうち重要議題については3分の2)。多数意見を単純に採用するのではなく あくまでも議論で決着させていこうという意思の表われではないだろうか。それでいて議決を可能とするライン(全員一致を要求したりすれば何も決められないもんね)。
 なお過半数で議決可能な議題があったり、会の解散を決めるのには「幹事会員総数の4分の3以上が出席し、出席した当該幹事会員の5分の4以上に当たる多数をもって」幹事会員総会で議決する必要があるとしていたりする。この辺りの差異の付け方についても、読み込んでいくと面白そうだ。
 その一方で、中の人たちが実運用する段になると慣れるまで大変な気もするけど。


 第55条で「本会の活動領域に関して高い知見を持つ会員外の者1名」を「後見人」として置けるとする規定がある。「必要に応じ」とあるから置かないという選択肢も用意されているのだろう。ただ野次馬的に見れば、今後 誰が「後見人」として登場するのかが要注目といったところ。もっとも「代表幹事」らの幹事会がしっかり機能してから「後見人」を招請することになっているので、だいぶ先にはなるかしら。
 「後見人」には「拒否権」という かなり強い権限も用意されていて、相応の人にお願いすることを想定しているのだと思われる。それを考えると、誰の名前が挙がってくるのかワクワクして来ませんかね? 俺はワクワクしてるよ。


 第4章(第62条から)では「業務の執行及び会計」が、第5章「雑則」(第66条から)では MIAU の活動で生じた著作物にかかる著作権の扱いや支援申出への対応が定められている。中間を飛ばして、ここにも目を通しておくと良いかなぁ(とりわけ支援したいって人については)。
 組織が出来上がるまでの暫定措置を定めた附則とあわせ、これから越えていかなきゃならないハードルに思いを馳せてしまうけれども、とにかく一歩ずつ着実に進んでいるのだと実感させられる会則だった。いい感じだと思うよ。


 MIAU の活動の正否を決めるのは発起人の方々の努力だけではない。それをとりまくネットワーカーが何をしていくのかということも重要な要因なのだということも意識しつつ、 MIAU の今後へ大きな期待を抱き 最大限の協力を惜しまない所存であると俺的には考えているのであった。
 ──パブコメ書かなきゃならんのに、こんなに長くなっちまったよ!