文字・活字文化振興法案、その最終案全文公表

http://d.hatena.ne.jp/copyright/20050615/p2

http://www1.ocn.ne.jp/~miyoko/menu02-69.htm

▲『Copy & Copyright Diary』 経由、肥田美代子議員のサイトに文字・活字文化振興法案の最終案が掲載された模様。▲『Copy 〜』管理人の末廣氏は、第十条(学術的出版物の普及)について疑問点をぶつけている。「学術的出版物の普及が一般に困難であること」は事実なのかというのが一点。現状として国による出版助成が為されていることも紹介している。こうしたところを きちんと分析した上で、施策が講じられていくのか否か。▲そして「学術研究の成果についての出版の支援その他の必要な施策」の向こうには「版面権だとか再販維持だとかを持ち出してこないか心配です」と二点目の疑問。同感だ。活字議連は法案成立後の具体的施策案として、版面権・再販維持を既に公言している。今回の法案自体が無害(らしい)なものであっても楽観はできないのである。▲余談だが、私としては第三条の2「国語が日本文化の基盤であることに十分配慮されなければならない」とする文面に拘りたい。当初の案では「日本語」と表記されていたところであるが、公明党の要求で「国語」に換えたという話である(毎日新聞記事より)。しかし「国語」とは一体何か。いわゆる「標準語」か、それとも共通語か。北海道弁は入るんだべか? 「日本語」の方が誤解は少ないのではないか。▲「国語」の表記法(常用漢字表・仮名遣い・送りがな・外来語カタカナ表記など)に関しては内閣告示で明らかにされている訳だが、これが文字・活字文化のほんの一部分でしかないというのは言わずもがなだろう。むしろ、この語を用いることで範囲が限定されてしまうのは、文化的な観点から言って好ましくない。豊富な文字・活字文化に触れ、これを継承するためには「国語」を脱しなければならないのである。