RIAJ、 情報公開のフリして逃げたか?

http://www.himajin.jp/mt/ei/archives/001051.html

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20050810/riaj.htm

http://www.riaj.or.jp/release/2005/pr050810.html

 『若旦那の独り言』にて「なぜこの時期に?RIAJの恥ずかしい数字発表」との記事。レコ協から「有料音楽配信売上実績」なるデータが公表され、 AV Watch などで報じられた。音楽系のブログでも幾つか これをネタにした所がある。その中でも、若旦那さんの感想は実に痛快だ。曰く、「このタイミングは SONY 他の日本の音楽配信サービスに恥の上塗りしたいとしか思えない」。現に「インターネット・ダウンロード」回数の実績があまりに低すぎるのである。「モバイル」の 50分の1。
 もっとも、レコ協の発表のページを見ると、このダウンロード回数は「シングルは曲単位、アルバム、ミニアルバムはそれぞれの構成単位での報告(例:アルバム1枚分のダウンロード回数は1回とし、曲数換算は行わない)」としている。つまり、アップルが発表しているダウンロード曲数との単純比較はできない訳だ。私としては、若旦那さんの分析にツッコミを入れるつもりはない。むしろ、こうした比較がなされることはレコ協も想定すべきであり、あのようなデータを出した以上、甘受すべきことなのだ。
 それよりも私が指摘したいのは、こうした恣意的なデータを出してきたレコ協の姿勢だ。シングルだけ曲単位、他は「構成単位」とはどういう了見だ。 iTMS 以外の音楽配信でも、アルバム収録曲を単独で買うケースは少なくない。例えばアルバムから2曲とか3曲程度を買った場合は、どう数えているのか。この場合、アルバム1枚と数えるのも、シングル2・3曲と数えるのも妥当ではない(あえて言うならシングル1枚だろう)。すなわちデータが故意に水増しされている可能性がある。内訳を示せ。
 レコ協はすぐにデータを出し直すべきである。すなわち、曲数換算のデータへと。音楽配信は必ずしもアルバム単位で売れるものではないのだから、曲単位のデータにするのが正しいのだ。あと、アルバムをまるごと買った場合の数を知らせたいのなら、それを別に発表すればいい。シングルを曲単位で計数し、それとごちゃまぜにするのは不当だ。集計として全く参考にならない数字である。要するにレコ協は、音楽配信に係るデータ公表から逃げたのだ。自分から勝手にデータを出しておいて、最低のやり口だ。