「権利者団体」はアーティスト・クリエーターを代表してはいない

http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori/e/f0c848ee2a5f0795c48b350251588dac

▲『正々堂々 blog』 に「私的録音録画補償金問題」との記事。エンタメ議連の勉強会で、 JEITA 河野氏と意見交換したのだそうな。そして川内議員の意見として「アーティスト、クリエーター、と利用者のための著作権法なので『権利者』『権利者団体』と言う言葉がなるべく使わないようにしたほうが良い」と書かれている。 JASRACRIAJ が「権利者」を装っているかのように書かれているのだが、これは正確じゃないよなぁ。言わんとすることは理解できるのだけど。▲JASRAC は作詞・作曲等の「本当の権利者」から管理委託されている団体。だから必ずしも「権利者」そのものではないのだけど、どうしても立場は強くなる。 RIAJ は正真正銘の「権利者団体」だ。著作隣接権を持つレコード会社の集まりだから(いや最近は必ずしもレコード会社が著作隣接権を持つとは限らないらしいけど)。となれば、本来アーティスト・クリエーター自身が権利を行使すべきところ、それが阻害されて JASRACRIAJ が強大な権力を持ってしまう現行著作権制度自体に原因がある訳だ。▲他にも、「今回の議論で最悪なのは、完全デジタル化までの間とりあえず暫定的に HDD 内蔵型携帯プレーヤーを、政令改正により補償金の対象にする、となり既成事実を作られることである」と書かれている。いやぁ、そういう制度にしてしまったのは誰なんでしょうねぇ‥‥って国会だろ! いま国会議員をやってるひと全員に責任があるとは言わないけれど、もし誤りを是正したいと思っているのなら、ぜひ根本的な是正を検討してほしい(まぁ各条約の範囲内ってことになるけど‥‥)。▲私としてはね、国会議員の側から、こうした現行制度への疑問の声が挙がってくるのは歓迎するけれど、単なる“人気取り”で終わらないでくれと思ってる訳。何せ私的録音録画補償金制度は国会で著作権法が改悪された結果生まれたもので、しかも映画の著作物の保護期間を 70年 にしたり、還流防止措置を認めたのも国会だったんだぜ。正直、補償金制度を答申した著作権分科会と同じくらい胡散臭いんだよ。そうした“過去の過ち”を正そうとするなら、ぜひ私的録音録画補償金制度の話だけで終わらないでくれ。▲もちろん川内議員には言わずもがなだと思うけどね(一目置いてる存在だし)。頼んますよ、ホント。