輸入差止申立制度の「欠陥」

http://mal.cocolog-nifty.com/antena/2005/07/post_377c.html

http://www.meti.go.jp/policy/ipr/infringe/custom/index.html

http://www.customs.go.jp/mizugiwa/chiteki/pages/b_001.htm

http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S45/S45HO048.html

▲『MAL Antenna』 に「還流盤は実質ほとんどが止まっている?:『日本の「輸入差止申立制度」に欠陥』のニュース」との記事。日経 TechOn の記事をネタ元に、「輸入差止申立制度」(レコード還流防止措置でも活用されている)には権利者を厚遇しすぎる欠陥があることを伝えている。確かにこの「欠陥」には是正の余地がある──と私も思うけど、これに還流防止措置を絡めて論じるのは如何なものかとも思う。輸入差止申立制度の「欠陥」がどうあれ、実質的に還流盤は止まっていると考えられるからだ。▲還流防止措置で著作権侵害とみなされる行為は、輸入だけではなく、頒布と頒布目的所持も含まれる。つまり要件を満たす「還流盤」でさえあれば、日本レコード協会が権利行使の対象外として明示したものでないかぎり、たとえ税関を通過しても訴訟を提起されるおそれが常についてまわる。旧譜でも今年の1月1日から4年間は対象となるし。従って、輸入業者も(よほどのチャレンジャーでない限り)手を出さない。現に新しい「還流盤」は出回ってないよね。少なくとも私は見たことがない。▲もし MAL さんの側に、今後 輸入差止申立制度の是正を要求していこうという趣旨が少しでもあるのなら、私も賛成するし微力ながら協力していきたい。でも単に還流防止措置の運用をくさすためだけだったのなら、私は同意しかねる。還流防止措置が輸入差止申立制度をも上回る保護であることは明白で、だからこそ我々は創設に反対した。この制度が始まってしまった今、還流盤が止まるか否かは差止申立制度の如何というよりレコ協の方針次第だ。我々に出来るのは、運用実態の監視と是正への働きかけのみ。▲申し立ての手間を考えると、税関手続に関する限り、あまり酷いことにはならないと楽観的な見方も私はしてるんだな。申立て時に権利侵害物品だという証明をしなけりゃいけなかったり、数ある税関それぞれに申立てないとならなかったりするから。その負担は、レコ協が申立受理盤を必ずしも連発していないことからも窺えると思う(また、申立ての事実が無くても還流盤が止まる実態を示してもいる訳だが)。そしてレコ協には枷が多い。文化庁であったり、国会であったり、 Watchdog であったり。▲漠然としたものだけど、そのうち税関に問い合わせてみたいな、とも思う。還流防止措置関連での申立ての総数や、実際に止められた還流盤のことなどを。