矢野経済研究所から「音楽コンテンツに関する意識調査」

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0507/12/news085.html

http://www.yano.co.jp/press/2005/050712.html

ITmedia に、「CD購入や音楽番組視聴、『ここ1年で減った』が4割」との記事。矢野経済研究所で発表された『ブロードバンド環境におけるコンテンツ利用意識調査』の内容を伝えたものである。この『〜意識調査』は「音楽利用に関するアンケート調査」と「動画利用に関するアンケート調査」の二部構成になっており、このうちの前者を ITmedia は採り上げたようである(なお ITmedia の記事では「音楽コンテンツに関する意識調査」と呼称している)。なかなか興味深い結果が出ている。▲もちろんインターネットでの調査だから そのあたりを割り引いて考えなければならないが、音楽・動画の利用とパソコン・インターネットとの親和性が高くなっている現在、殊この分野の調査については将来展望に有効なデータが得られていると思われる。▲音楽関連では、「日常的に音楽を聴いている人」と予備調査で答えた人を対象にアンケートを取ったとのこと。音楽を聴くのにミニコンポ・ラジカセが相変わらず強いのだが、パソコンで聴く人も目に見えるほど(カーオーディオに迫る勢い)増えている。そのくせ音楽配信に関しては「関心は決して低くないものの、利用に結びついていない」という。▲意識変化として「CDの購入」「レンタルCDの利用頻度」が減少したと答えた人が多かったことと合わせて考えると、音楽業界がCDにしがみついている間にどんどんと時代が流れて置いてけぼりを食っている図が見えてくる。ちなみに「減少」と答えた人が「増加」と答えた人より多いという傾向があっただけで、「変わらない」と答えている人が大半であるのは頭の片隅に置いておこう。まだ音楽業界の側にチャンスは残されている──消費者の声に耳を傾けて戦略的にサービスを提供すれば、だ。▲この手の調査はさまざまな所で もっと並行してやってほしいものだ。そうすれば全体の傾向がより確実に見えてくる筈。調査対象となっているのは、言ってみれば音楽業界の“お得意様”である。まずはこの層を取り込んでいかねば、現状の凋落傾向を止めることなど覚束ないだろう。というか、これだけ音楽好きを自称する人がその興味の持続を明らかにしてるのに、どうして凋落するかねぇ? よっぽどバカやんないと、ここまで酷くならないでしょうよ。

【追記】
▲「音楽を視聴する機器について」の中で、ポータブルCDプレーヤーとポータブルMDプレーヤーを使ってる人がそれぞれ多かったのが意外だった。いずれも 20% 前後の使用率である。まだまだ根強い人気と言えるだろう。その反面、ポータブルカセットプレーヤーは見る影もないが‥‥(デジタルオーディオプレーヤーの2種──メモリ型・ハードディスク型のいずれとも同程度の使用率である)。