日本の「エンタメ」業界は、「提言」対象であり得るのか否か?

▲『The Casuarina Tree』 謎工氏に教えて戴き、民主党機関紙『民主』 7月1日号 を入手する(「地元の議員か候補者の事務所でもらえる」とのこと)。目当ては、ゲーム議連の樽井良和議員と CDVJ 専務理事の若松修氏の対談。なお参考までに見出しを紹介すると──「『富国楽民』魅力ある日本を創る〜ポップ・カルチャーで ワクワクする政治改革を〜 / 世界が注目する『クール・ジャパン』 / エンタメ産業へ国のサポートを / 主役は消費者 / 日本が楽しくなる構造改革を」てな感じ。▲で、読んでみた。正直、物足りない。この組合わせの対談なら1面と言わず2面・3面は読んでみたい。どうも突っ込みが足りないというか(いや対談だから「突っ込み」も何も無いのだが)、読んでいて力の入る部分が少ないのだな。樽井議員の発言も他でのものと大部分がダブるし。もっと具体的な話が聞きたい! 「エンタメは消費者が主役であるべきもの」との発言が若松氏から出ているのだが、私としては樽井議員の口から「消費者」について(すなわち議員の考えを)聞きたい。▲謎工氏から記事のことを聞いたときに、エンタメ議連についても言及しているとのことだった。その通りで、樽井議員の発言に「知的所有権“問題”を解決するという方向で議論され、何かを提言して創っていく方向にないのが少し残念です」というのが確かにあった。まぁこれは現状認識として正しいものだろう、残念ながら。エンタメ議連が著作権法改悪を切っ掛けとして結成され、レコード再販制廃止を目指して動いているという流れの上にある以上、問題解決が本流となってしまっているのは致し方あるまい。▲消費者側から見たとき、「知的所有権」の「問題」は極めて悲観的にならざるを得ず、いま「提言」が可能な時期なのかという疑問も私にはある。「問題」が山積しており、消費者と業界とが手を取りあうことすら難しい状態。多分それはゲームも同じと思うが‥‥まずはそこから手を付けないと始まらないのだ。「提言」を行なったとしても、実際に動くときには目の前の「問題」を片づけていかねばならぬ。かと入って大局的な考えがなければ「問題」解決だけが自己目的化する。つまりは両方大事。▲JASRAC の“暴虐”や著作権法の検討課題など、目の前の様々な「問題」に忙殺されている今だからこそ、大局的な視点で「提言」を出せる人物が求められる。最前線から少し離れたところで余裕の持てる人物──実は、樽井議員自身も割と理想的な位置にいるのではないか? そう思えばこそ、私は彼の言葉を聞きたい。もっと具体的な言葉で。刺激してくださいな。