「白昼夢」たる公貸権を求めての「蠢動」

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▲『Copy & Copyright Diary』 にて「ペンクラブの蠢動」の記事。公貸権と図書館問題の話を含めた、文藝団体の「共同声明」を出そうという提案がペンクラブであったそうだ。提案の中心となっているのは三田誠広氏。著作権分科会の委員でもあり、図書館を敵視し公貸権の創設を強硬に主張する人物だ。 『Copy 〜』でも蒸し返されている通り、「ミステリは一度読んだら二度と読み返すことはない、犯人が分かってしまえば読み返すことはない」などと作家・読書人の両方を侮辱する暴言を吐いたりもしている。▲しかも引用されている秦恒平氏の言葉によると、「推理作家協会はそれには簡単には乗らないであろう」という話。それなのに「共同声明」と呼ぶ不自然さ。しかも秦氏は公貸権について「夢のまた夢ほど実現に距離のある」としている。さらには「白昼夢」とまで。この様子なら、あまり心配することも無いか? 三田氏(と猪瀬直樹氏)の“独り相撲”で終わるか。その動向には注目していたいものだが。▲それにしても、秦氏の言いっぷりが見事だ。「図書館の今は窮地にあることは知れている。それに対して文筆家がにか援護・支援の声明を出しうるなら分かるが、夢のまた夢ほど実現に距離のある公貸権に体する国庫による寄金設定など、まだ白昼夢にちかい」。「図書館と文筆家団体とが結束してそれを国に突きつけ続けうる時期が来ない限り、成る話とはわたしは考えていない」。文字・活字振興法案は図書館と文筆家(と出版者)とが Win-Win の関係を築くことを理念としているが、実現可能か?