ネットで「中傷」、その判断は誰がする?

http://it.nikkei.co.jp/it/news/soft.cfm?i=2005061904028j1

http://www.pit-crew.co.jp/index.htm

日経産業新聞で「ピットクルー、ブログの有人監視サービス開始」との記事。この記事を素直に読んだ限りでは、こういうのでも商売になるのかと少々驚き。しかしネットってのは現状 何でもアリの世界だから、確かに こういう「監視」をしないことには「中傷」に対処できないのだろう。ただ「監視」しても「中傷」を防げるかは疑問だけど。あくまでも対症療法でしかないというか。「中傷」の代表格と言えば某社のゲートキーパーあたりが思い浮かぶが、これは某社の評判を落とすだけだから対処が必要だね。▲ピットクルーのサイトを見てみると、これまでの業務内容はクライアントが運営するサーバ・掲示板などを「監視」するものである。つまりクライアントの管理権限の範囲内で補助する仕事のようだ。これに比して記事の「ブログ監視を企業や団体などから請け負い、中傷などの掲載をチェックする」というのは、クライアントが運営するサイトの範囲内を「監視」するとは限らないようにも読める(ブログサービス会社をクライアントにするなら別ね)。このあたり、プレスリリースが掲載されてないから判らない。▲私が気になるのは、仮に「中傷」を見つけたとして どう対処するのかということ。まぁこれはピットクルー社の方が関知する問題ではないのだろうけど(クライアントの判断だわね)。しかし、仮に抗議・訴訟などを視野に入れているとすると、ブログを「監視」対象に選んだのは的確かも知れない。匿名掲示板とは違い、本人との連絡をつける手段が比較的担保されているからだ。場合によってはサービス運営者に削除させることもできる。いずれにせよ、私としては前もって話し合いの場を設けるべきかと。▲ここで(例の小倉弁護士の)トレーサビリティがあれば、あまり騒ぎ立てず対処できる場合も増えるだろうにと思ったりする。いきなり訴訟──とか言わないでもね、当事者同士でこっそり話し合うという方向で。まぁ訴訟も話し合いの一種だけど(笑)。実名で発言してれば連絡のとりようもある。でも現実問題として(私も含め)匿名でやってる人間の方が多いわけだからさ。仮に私が「中傷」をやったとして、話し合いの場に出て行くのは やぶさかでない(その前にブログのコメント欄の方がよろしかろうが)。▲ただただ思うのは、言論を封じるのに悪用しないでくれよ、ということ。もっともそんなことしようものなら、すぐブログのネタにされたりするんだろうけどね(現状、公正に抗議しようと思ったら公式にプレスリリースを出すか、訴訟を起こすしかないか。情報をオープンにすることしかブログに対抗する方法は無い気がする)。それはそうと、この「監視」をマーケティングに応用するところは無いのかしらん? レコ協とか文化庁とか、ぜひブログを「監視」してくれと思ってるのは私だけではあるまい。